頂着物(いただきもの)でございます。
GWであるが、東京都は3度目の緊急事態宣言。飲食店に入っても飲酒不可だからか。辛うじてやっている店にも客はまばら。いかに「昼間っから酒を飲む」という行為が連休ムードを演出していたのか、という事実を思い知る。
飲酒していなくても「飲んでますか?」と仕事相手から電話越しに言われるぐらいに、常に脳内麻薬に酔いしれている私である。「裏酒場で一杯ひかっけてきたのでは疑惑」を持たれないためにも、テンション低めを心がけているのだが……。
うっかり、テンションが上がってしまった。
着物を頂いてしまったのである。
仕事関係の知人から「お隣さんから着物をたくさんいただいて、お譲りしております」という、畳まれた着物の写真付きメールが届き「!」となった。
「このような方法ではお譲りしたくてもできない!」と思ったのである。
ここは、一度拝見して「お譲り方法」を私も一緒に考えなくては! と謎の使命感に燃えて「一度、拝見させてください」と返信。
で、まあ、ちゃっかり頂いてきちゃった次第。
夏物、単衣、袷、コート、浴衣、名古屋帯、袋帯と仕分けしながら、「これ素敵」をチェックしていたとはぬかりないな、私も。銘仙の子供用のアンサンブルとか出てきて「かわいいなあ」などと見とれたりとかしてたくせに、マルチタスクぶりを発揮してしまった。
着物を数枚拝見して、
「お茶を嗜まれていた方なのですね」
と私が言うと
「なんで、分かるんですか⁉」
と知人におののかれる。「ひとつ紋が入った色無地を、季節ごとにお持ちのようなので」と種を明かす。
「紋が入っていると、お譲りしにくいですよね」
と言う知人に、
「大丈夫です。紋が違うなんて、分りませんから」
とマルチタスクぶりに続き、テキトーぶりを発揮する私。この後、立派な喪服(五つ紋入り)も出てきて、知人のお姑様が「あら、紋が入っていたら着られないわね」とおっしゃったので、またしても「大丈夫です。分かりませんから」と言ってしまった。幸い、お姑様は「面白い人ね!」とウケてくださったので、よかった。とはいえ、まじめな話、葬儀屋さんでレンタルする喪服の紋がビンゴである確率のほうが低いのが、現実だ。家紋にインスパイアされて、モノグラムを考案したルイヴィトンもビックリだろう。
このような、やわらかものを持っていなかったので、嬉しさのあまり自撮り。袷の付け下げ。
だいたい、私はもはや寸法の合う合わないも、テキトーの域に入っている。長襦袢から察するに元の持ち主様は私よりも10~15センチは身長が低いと思われる。しかし、案外、着ることができてしまった。かつての私は寸法をとても大事にしていたが、着付けのテクである程度はどうにかできることを知り、すっかり寸法のことなどどうでもよくなってしまったのである。
こちらは、ちりめんの単衣。軽くてしなやか。うれしくて自撮り。
白い帯は20代前半の頃に自分で購入した。右も左もわからない私に呉服屋のオバサンが「どんな着物にも合わせられる、万能帯」と言っていたが、20年以上もの時を経て、万能っぷりを見せつけてきた。
自撮りを堪能した後、洋服に着替えるのも面倒だったので(下着から何から何まで別モノなので、洗濯物が増えるという)今日はきもので過ごすことにした。「この単衣でいいか」と箪笥から引っ張り出して気づいた。これも頂着物であった。
右の身八ツ口(脇のスリット)から二の腕が見えているが、お許しを。お召し替えを繰り返していい加減、くたびれていて集中力が落ちていたのだ。
なぜ、くたびれていたかというとお召し替えしながら「自撮り用リモコンに充電するケーブルが見当たらず、捜索」のほか、「頂いた小千谷縮を自宅で洗濯」していたのである。そう、私は「こ、これは小千谷縮ではないですか!」とちゃっかり頂いてきたのだ。シャリ感や透け感はもちろんだが、自宅で洗えてアイロンNGという小千谷縮が、私は大好きである。乾いたら、また自撮りする予定。お楽しみに!
今日も読んでくださって、ありがとうございました。
皆様の毎日にププッと笑顔があふれますように♪
0コメント