先日、新幹線の車中にて観察した「オッサンを極めたオッサン」の一部始終をレポートします。
こんにちは。小料理たかこの女将です。
今年は眼鏡モデルに起用していただきましたが、来年は日本酒や長ネギのモデルを狙っております。わたしと、私のツーショット。
さて、明日から3連休と言うことですが、諸般の事情で23日にクリスマス会を開催されるという方も多いことでしょう。
しかし、
みなさん。
12月23日は
天皇陛下の
お誕生日です!
だから祝日なのです。
現人神のお誕生日をすっ飛ばして、メリークリスマス!とかやっちゃうと、イエスキリストも「陛下に悪いな」ってバツが悪いと思うので、どうかひとつ。陛下のお誕生日をお祝いしてから、チキンを食べるようにしてくださいね。
さて。
もう遠い昔のように感じるのですが、私は先週、出張で大阪に行きました。
行きの新幹線に衝撃のオッサンの中のオッサンがいて、あまりの極めっぷりにもう『これは観察するしかない』と身を乗り出してしまったほどです。
オッサンを極めたトップ オブ ザ オッサン、年のころは推定50代半ば。やや大柄で新幹線のシートはちょっと窮屈そうでした。オッサンは私の2列前の席の通路側にいて、私は右斜め後ろからスパイ映画の鑑賞により培ったスパイテクを応用し、オッサンの様子をうかがっておりました。
お昼時の新幹線ですので、当然、お弁当を食べます。私も食べました。が、そのオッサンはとにかく咀嚼音が大きいのです。2列離れた私のところにも聞こえてくる!!!
さらにオッサンは咀嚼音だけでなく、たてる音がいちいち大きくお弁当の入っていたビニールの袋をガサガサガサガサ。食べ終わったお弁当箱のゴミをまとめるときもガサガサガサガサ。食べ終わった後は、お決まりのつまようじシーシーシー。
パブリックな
空間でも
すっかり
ご自宅気分なんだわ。
とはいえ、私はこの時点ではこのオッサンのことをまだ心の中で許容していた。お弁当を食べ終れば静かになるだろうと思っていたから。
私は自分のお弁当箱やペットボトルを捨てにデッキへ行き、化粧直しをして席に戻ったのですが……。
最悪の
事態発生。
オッサンが靴を、
靴を
靴を脱いでる~~~~!
10年ほど前、やはり新幹線で隣のオッサンが靴を脱いで、異臭のあまり、車掌さんに泣きついて席を変えてと訴えた記憶がよみがえります。車掌さんは「あいにく本日は満席です」と申し訳なさそうに言ったっけ。
10年前の悪夢のような記憶を走馬灯のようにぐるぐる駆け巡らせながら、私は自分の席に座りました。車内販売のカートがきたので、気を取り直そうとコーヒーを注文。カートとお姉さんにさえぎられてオッサンが視界から消えたので『すべて幻で、お姉さんとカートが消えたらオッサンも消えていますように』とお祈りしましたが、祈りは届きませんでした。
あのオッサンの
靴下は
きっと
フローラルの
香りよ!!
妄想で自分を鼓舞することにも無理を感じ、ハンカチを取り出しました。私のハンカチにはこういうときのために、アロマオイルがしみ込ませてあるのです。ハンカチを膝に広げて目を閉じれば、メリッサの精油の香りがヒーリングサロンのよう。
しかし、瞳を閉じても耳は閉じれなかった。
オッサン、鼻をすすりはじめます。嫌な予感。ねえ、鼻かむの? 今? ここで?
ズビー
ズビー
ズビー
鼻水にどれだけウイルスが入っているかという豆知識を持っている自分を呪いました。
もう、私の願いはオッサンが次の停車駅、名古屋で下車してくれることだけです。どうか、行き先が名古屋であって欲しい。しかし、この新幹線は博多行き。これも叶わぬ夢?
オッサン、靴下をペッタリと床につけて寛いでいらっしゃる。ああ、あんなに寛いでいるなんてすぐには降りないんだろうな。あ、また、鼻かむの?
周囲を伺うと、オッサンの寛ぎっぷりに、オッサンの後ろの座席の御仁も眉をひそめている様子。そうだよね、あなたのほうが私よりも近いもの。オッサン、ちょっとリクライニングの角度も図々しいレベルだものね。あなたも大変よね。お気持ち、お察しします。
次は名古屋。
というアナウンスが聞こえた瞬間、席を立つオッサン。
下車するの?
と期待させておいて、え? まさかのお手洗い? え? 電話?
ねえ、
鼻もデッキで
かんで
くれないかな?
結局、オッサンは京都で下車したのですが、乗車している間に出した各種ゴミ、シートのポケットに置きっぱなし!!!!
なんなの?
アレ?
あらゆるマナー、エチケットの存在をすべて無視したふるまいに唖然、ぼう然としたのでした。
たぶんね、あのオッサンは「知っている人」の前ではあそこまで傍若無人ではないのだろうと思うのです。外面良男(そとづら よしお)ってヤツです。家族および見知らぬ人の前では、とことんまでオッサンの極みなんだけれども、ちょっとした知り合いの前では案外、紳士的にふるまうパターンなのではないかと推測。なぜ、そう思ったのかと言うとスーツが誂えだったからです。
でもさ。
どれだけいいスーツ着ていても。
状況によって態度を変えるのって
紳士じゃないなって思うんです。
真の紳士は、外面良男じゃないんだなあ。
その場には知り合いが一人もいなくても、周りの人のことや、後の人のことを考えられるのが紳士だよね。
小料理屋の女将への抵抗があるのは、新幹線で遭遇したようなオッサンがお客さんで来るんだろうな~って妄想のせいなのだけど。
お客様は神様だろ、とか言いそうなんだもん。
そうしたら、あたし。
お客様は
そろそろ
仏様なのかと
思っていました。
と言っちゃうのを止められないだろうな、と思うのでした。
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