「しあわせを満喫」したいのならば「そこそこを断つこと」がいちばん。

こんにちは。栗原貴子です。


世間はゴールデンウィーク真っ只中である。後半5連休が始まったと思ったら、早くもUターンラッシュというニュースを見ておどろいた。なんと忙しないことだろうか。

私は都心に住んでいる。この街は「暮らしている人」「お勤めの人」が混在しており、平日はワサワサと人が多く、土曜日はワサぐらいになって、日曜日は閑散とする。従業員数が多そうな企業が複数あるので「お勤めにきている人」や「打ち合わせ等で訪れる人」が圧倒的に多いのだろうな、と思う。


ゴールデンウィークもそうだけれども、年末年始、お盆など「一斉に休暇」になるとき、この街は閑散とする。「暮らしている人」も旅行に行ったり、帰省したりするのだろう。連休になると街から人の気配が激減する。すると、家の中を流れる「気」も緩やかに落ち着いてくる。人が発する「気」や「エネルギー」、いわゆる「人の気配」がいかに大きいかということに毎度のことながらシミジミとする。


家の中に流れる「気配」がシーンと静かになるので、自宅にいても「非日常」気分が味わえる。目を閉じて、小鳥のさえずりに耳を傾ければ、森の中のコテージにいるようだ。先日の記事にも書いた『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』体験によって、暗闇の中でまったく見えていないときの私は「ありもしない食べ物をねつ造して、嬉しい気持ちになる」ぐらいに妄想力が豊かであることを知った。つまり、目を閉じることで世界をいくらでも広げることができるというわけだ。なんてお得な性分なのだろう。


そう考えると、私の「非日常を体験したい欲」の大半は「人の気配があまりしない場所に滞在したい」という動機がわりとメインテーマなのではないかと思う。海辺も森の中も素敵だ。けれど、過去にそうしたところに行った記憶をたどると、「人の気配のないところで自然の音や匂いを感じた」記憶ばかりがよみがえってくる。鳥のさえずり、枝が風になびく音。海や山の香り。落ちた枝を踏んだときにポキッと折れる音。


レジャーや休暇の過ごし方に「何を求めているか」は人それぞれで、その時々によって変わるものなのだと思う。


もしも、私が人の気配が少ない場所で暮らしたのならば、日常と非日常が逆転して、積極的に人が多いところに出向くようになるのかもしれない。きっと「わ~!人がいっぱい💛」と喜ぶことだろう。


『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』で、当たり前が当たり前じゃなくなる体験をしたと同時に、「もっと対極を体験したい」と思った。「光と闇」「多忙とヒマ」「ひとりと大勢」のように対極な状態に身を置くことで、「当たり前」のことへのありがたみや喜びが増し、価値観が生まれ変わると思うから。



なので、ふだん人の多い場所にいたり、人間関係に疲れている人は意識的に「ひとりぼっち」を体験するとよいと思う。「楽しいことがない」と嘆くならば、徹底的に「イベントをなくす」のもよいだろう。1か月もイベント断ちすれば、「たいして参加したいと思っていないイベントにも参加していたことに気づく」など、これまでとは「イベント」に対する考えが変わってくること間違いなし、である。


要するに「そこそこ楽しい」「そこそこ満足」といった「中途半端な間に合わせ」が恒常化することで、私達の感覚はどんどん鈍っていくのだと思う。とくに私達、日本人は「平均的にそつなく、そこそこであること」がよしとされる社会で生きてきたせいか、世の中には「そこそこ」が溢れてしまい「そこそこ」に慣れ切っている。じつは、「そこそこ、どころか世界から見ればめちゃくちゃハイレベル」だったりもするのだけれども、私達は「当たり前」で暮らしているため、そのありがたみに気づけないのだ。


自分を喜ばせる方法はいろいろあるけれど、すぐにできて簡単、お手軽なのは「そこそこ断ち」だと思う。汚しまくりの育ちざかりを終えた大人なのであれば、ファストファッションで3枚服を買うのを断ち、お気に入りの1枚を探すとか。「ま、これでいいか」と思っていたことをやめてみる。楽しめること、しあわせを感じることを「探したい」人ほど、まずはやめてみたほうがいい。

♪探し物はなんですか?♪と井上陽水(および斉藤由貴)もかつて歌っていたが、何を探しているのか分からないうちは見つからないので♪それより僕と踊りませんか?♪なのである。

曲名は『夢の中へ


余談であるが、私は「井上陽水がコンサート中に客席に投げた、さっきまで使用していたギターのピック」を持っていたことがある。母がコンサートに行き、運よくゲットしたものを当時、中学生ぐらいだった私にくれたのだ。お宝じゃないか! ということなのだが、私は物持ちよし子のくせに、そのギターのピックが見つからない。ラーメン屋さんのBGMで唐突に♪探し物はなんですか?♪と井上陽水の歌声が流れたとき、心の中で『あなたのピックです』と答えてみましたけれども、相変わらず見つからないので、陽水さん、私と踊ってくださいませんか?


今日も読んでくださりありがとうございました♪

皆様の毎日に「ププッ」と笑顔があふれますように。





















栗原貴子のでこぼこオンナ道

栗原貴子/編集・ライター、コピーライター フリーランス歴23年。広告、宣伝、啓蒙につながるクリエイティブ制作、コピーライティングが得意。2019年より きもの伝道師 貴楽名義で着付けパーソナルレッスンを中心に活動開始。きもの歴は四半世紀越え。