”在宅勤務”について尋ねられることが多い今日この頃、思うことを書いてみました。

こんにちは。栗原貴子です。


「弊社でも在宅勤務の導入に向けていろいろとテストをしているのですが……」


というような感じで、「ぶっちゃけ、家で仕事するってどうなんですか?」ということを聞かれる機会が多い今日この頃です。


企業の在宅勤務への関心が高まっているのは、2020年の東京オリンピックのときに「通勤は無理でしょう、どう考えても」ってことらしい。


それで、「在宅ワーカーの日常」といいますか「どうやって家で仕事をしているのか」を尋ねられる機会が最近、多いのですね。急にスポットライトを浴びちゃって、舞い上がっているっていうのはウソですが。わたくしは意外と大真面目に。


そもそも

報酬の

システム

が違う


という大前提からお話するわけです。私らフリーランサーは、成果報酬なわけです。要するに「成果物を仕上げて納品して報酬をいただく」。なので、サボるとか怠けるっていうのは、論外なんですね。


ところが、企業の方々は割と真顔で


社員が

サボること


を心配していらっしゃる。もちろん、ストレートに「サボる」なんて言い方はされません。「勤怠管理」とか「業務時間の把握」みたいな言い方をされる。でも、成果報酬の世界で生きている我々からしてみると。


それって

つまり、

サボる

可能性が

あるって

ことっすか?


なんです。つまり「サボることが可能」ともいえるので「マジっすか?」って私の方が驚くんだけれども。「労働の形というか、報酬システムが違うので一概には比べられないのですが」という前置きを慎重にしたうえで、私の日常をお話するわけです。


●1日の労働時間とか、休憩時間なんていうものは、存在しません。

仕事が詰まっているときは、完成するまでやります。寝ているとき以外は全部仕事と言う日もあります。が、1日2時間しか働いていない日もあります。


●週休2日、祝祭日休み、というのも「絶対」ではありません。

納期優先ですので、仕事が終わらなければ週末も旗日も働きます。


と、「そもそも、私らは労働基準法に関係ない人達なんで」ということをお伝えします。すると「なるほど」と企業のみなさまはうなづいてくださるので、わたくしは自分が「すごくタメになる話」をしているような錯覚を覚えるのです。


次に「私は原稿を書きながら洗濯をします」と話します。すると「ええ?」って顔をされます。だいたい30分ぐらいですかね? 洗濯機が回っているのは。ピーピーといったら、干します。


洗濯ものを干したらまた、パソコンの前に座ります。「洗濯を干す」ということでいい感じに息抜きといいますか、リフレッシュしたので続きを頑張れます。


原稿がだいたい書きあがったら、一度「寝かせます」。


「寝かせる?」と企業の方。


「はい。この場合の寝かせるは、いったんその原稿から離れるという意味です。時間をおいて見直すことで、フレッシュな目で原稿を見直せるのです。寝かせている間の過ごし方はその時々で異なります。別の仕事をしているときもありますし、ご飯を食べたり、近所のスーパーに買い物に行ったり。原稿と一緒に自分も『寝る』こともあります」


「お昼寝ですか?」と企業の方。


「そうです。お昼寝です。その日の夜遅くまで、原稿を書くことがわかっているときなどは、一度、寝ます。脳の休息ですね」


「はあ……」と企業の方。


「また、アイデア出しのご相談などの電話中には、クイックルワイパーで床を掃除したりとか……」


「そ、掃除ですか?」と企業の方。


「はい。仕事の合間にちょっとした家事を済ませるのです。家事が息抜きになるのと同時に、アイデアは体を動かしながらの方がひらめくので一石二鳥です」


もう、このあたりで企業の方は「在宅勤務の導入の難しさ」を感じていらっしゃる様子になります。「Webカメラで社員の様子をウオッチする」的なことへの参考になるような情報は聞き出せそうもない、と感じられるのかも知れません。


「あと、在宅ワーカーあるある、なんですけれども。会社のトイレで女性は化粧直ししながら『その服、可愛いね💛』みたいな雑談をすると思うのですけれども。在宅勤務ですとそういう機会がなくなります。そして、それは案外、ストレスをためることにつながるのです。ちょっと嫌なことがあったときに『一瞬、愚痴っていい?』みたいなことができないのは、ストレスになりやすいですね」


「なるほど……」と企業の方。


また、現実的なことを言えば、仕事をするために使う光熱費をどうするのか? みたいなことにもなってきます。家の中に仕事用のスペースを確保できるのかという問題もあるでしょう。


そして、案外、盲点なのが。


近隣の道路工事

隣の家の改築工事や解体工事

へたくそなピアノの練習音


といった「うるさいな」という現象が平日の住宅街では起こりやすい、ということです。こうした音が気になって仕事ができないタイプの方だと、在宅ワークはハードルが高い。


また、お子さんがいらっしゃるご家庭だと、子供の帰宅時間という影響も少なくないでしょう。


在宅ワーカー19年目のわたくしですが、「会社に出社して仕事をする」というような、ある種の拘束力を自宅に居ながらにして導入するというのは、ちょっと難しいだろうなと思う。


私は会社員を経てフリーランサーになったのですが、「速やかに在宅ワーカーにシフトできた」のは、やはり報酬形態の違い、が大きいのです。集中して短時間で仕上げることができるようになれば、その分、こなせるお仕事の量も増える。結果、収入が増えるということがモチベーションにもなるのですね。


私のクライアントの方々も、私が仕事の合間に洗濯をしようが、電話しながらクイックルワイパーかけていようが気にされません。お昼寝しようが、スーパーに買い物に行っていようが「期日までに原稿を仕上げること」が第一。それができていれば、細かいことは基本、自由なのです。


「社員がサボることへの心配」の一方で「在宅勤務にしたら働きすぎになる社員が出るかも?」という懸念もあるようですが……。長時間労働が問題となる場合は


仕事量が多すぎる


または


仕事の速度が遅い


のいずれか(または両方)ではないかと、私は考えております。


今日は土曜日でございますが、私は今、お仕事仲間のフリーランサーのグラフィック・デザイナーさん(もちろん、在宅ワーカー)とメールでやりとりしながら、仕事を進めておりまして。


デザイナーさんに修正をお願いしている間に、このブログを書いておりました。


で、さっき、デザイナーさんから修正がメールで届いたので。


そろそろ、そちらをチェックしたいと思います。


今日も読んでくださってありがとうございました。


皆様の毎日にププッと笑顔が溢れますように♪


栗原貴子のでこぼこオンナ道

栗原貴子/編集・ライター、コピーライター フリーランス歴23年。広告、宣伝、啓蒙につながるクリエイティブ制作、コピーライティングが得意。2019年より きもの伝道師 貴楽名義で着付けパーソナルレッスンを中心に活動開始。きもの歴は四半世紀越え。