ドラマ『陸王』が人気ですが”こはぜ屋”の「こはぜ」について説明するフリをしてさりげなく、竹内涼真くんおめもじ経験の自慢話。
こんにちは。栗原貴子です。
12月に入ってから土、日、火、水ときもので過ごしています。月曜日が飛んだのは「朝、起きたらテレビ、インターネット、固定電話がなにひとつつながらない」というアクシデントが勃発したためです。手早く着られる服は便利であり、その点でやっぱり、きものは不利だと思う。
さて、ドラマ『陸王』の人気がうなぎのぼりのようです。自慢をしますが、私は「仮面ライダー」に起用されたときの竹内涼真くんにインタビューしたことがある。
イケメン、長身、スタイルよし、声も素敵。
さらに、付け焼刃では身につかない礼儀正しさ、
性格の良さがうかがえる真摯な対応。
その日、初めてお会いした男性カメラマンと帰り道、ずっと「かっこよすぎたし、好青年すぎてビックリしましたね」と2人して興奮して語り合った。「彼は国民的な人気者になりますね」とベテランのカメラマン氏がしみじみと言ったのを今でもよく覚えている。その通りになったなあ、とシミジミする。
さて。
『陸王』のヒットの理由を私は「あらゆる世代の人」が出演しているという点にあるのではないか、と思っている。さらに、その多彩な世代を活用した演出が絶妙である。”社長”と”顧問”のお顔のアップの後には涼真くんや山崎賢人くんのさわやかなアップのシーン。
フルコースのフレンチで供される
「お口直しのシャーベット」のごとき演出。
素晴らしすぎるわ!
ドラマの「こはぜ屋」という屋号も「一発で足袋やさんだと分かる、秀逸な屋号ではないか」と思っていたが、「いや、一発で足袋やさんだと分かっている人はそう多くはないんじゃないか?」と、昨夜、お風呂にはいりがてら足袋を洗濯していて思った。
洗濯した足袋です。
ちなみに私の足袋は白鹿足袋の24.5㎝”蘭型”。フィットした足袋が見つからなかったある日、百貨店の催事で足袋やさんにその旨を相談した。すると、足を見せてといわれ素足になると「あなたは、24.5の蘭型ね」と見ただけでサイズを言い当てられたことが愛好のきっかけです。ちなみに、靴は23.5㎝のため、足袋選びを間違えていた。洗濯機で脱水したのも、足袋が縮む原因と教えていただき、以来、100%手洗いにしています。足袋は脱水機にかけちゃダメよ、なのですね。
上部の金具部分が「こはぜ」です。
ちなみに「4枚こはぜ」と「5枚こはぜ」があって、礼装のときは「5枚こはぜ」です。
足袋の履き心地、というのはけっこうシビア。サイズや足のカタチに合っていないと足が痛くなる。ぴったりとフィットしていることが「美しさ」の条件だけど、幅が合わないとたるんでしまって小籠包みたいになるんです。
既成品の足袋の場合、3,000円から4,000円ぐらいが1足の相場。私は足袋を手洗いするようになってから、あまりにも足袋が長持ちするのにビックリしています。
こんなに長持ちしてしまう足袋。「こはぜ屋さん」の経営難は着物人口の減少と同時に、品質がよすぎることにも一因があるのだろうな、と熟練の縫製技術のすばらしさが語られるくだりで思った。「ぼろくなったから買い換えよう」というところまで足袋をはきつぶすのは至難の業なのです。縫い目がほどけたことは一度もなく、草履の鼻緒とすれる部分の生地が薄くなったぐらい。
なのでドラマ『陸王』で描かれている、ランニングシューズがいかに高品質か、ということもきもの愛好家には分かる。そうだよね、足にフィットした足袋って気持ちいいもん。1日中、足が楽だもんね。親指とその他の指がセパレートしているあの感じ、安定感が増すし体幹がしっかりするよね~って。
ドラマ『陸王』ってキャスティングだけでなく、ストーリーにも人それぞれに”ツボる”ポイントがちりばめられているのだろうな、と思う。その上での「お口直しのシャーベット」的な女性視聴者へのサービス精神満載の演出。うわ、さっぱりする!
挿入歌はもはや「ここで泣いてください」のコマンドとなっており、オヤツを前に「待て」といわれている犬が「よし」と言われるのを待っている気分ってこんな感じなのかな、と思いながらティッシュを握りしめている私です。
「足袋やさん」が主役であること。
それが、きもの愛好家歴四半世紀越えの私がツボっているいちばんの理由なのだな、と思うのでした。
今日も読んでくださってありがとうございました。
みなさまの毎日に「ププッ」と笑顔があふれますように♪
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