フリーランスに最低報酬、政府検討ってアホだなあと思うのよ

こんにちは。栗原貴子です。


いろいろと思うところがあって、いまいちスッキリしない日々を送っておりました。


が!!!


いつの間にかこんなニュースが!!!

「フリーランスに最低報酬 政府検討、多様な働き方促す」


これはタイムリーなうちに記事を書かねば、と思った次第でございます。


政府関係者の方々にお願いしたい。

検討するなら、私の話を聞いてちょうだい!

そして、一緒にフリーランス20周年、祝ってちょうだい!

20年もフリーランスやってきたオバはんの話、聞いてちょうだい!


聞かれる前に言っておくね💛


「最低報酬」を

決めるのは

無理です。


なぜならば、フリーランスの報酬は、いま、ざっと思いついただけでも次の6つの要素を踏まえて考えることだから


①仕事の難易度

②分量

③納期までの期間(お急ぎなのか、そうでないのか等)

④業務を提供するフリーランスの力量(腕がいいのか、悪いのか)

⑤拘束時間

⑥成果物が果たす役割(例 売上を伸ばすためのモノならば、それなりの報酬になります/会社の顔のようなものです 等)


ベテランさんにはライター1年目の人にはできない力業があります。


一方で、ベテランすぎて(つまりオバはんだから)「スマホのアプリのこと」は分からないので書けません、ということもあるんですね(あくまでも、私の場合です)。


発注側もそういうことはご存知でして「この原稿は難易度はそれほど高くはないけれど、超お急ぎだから『死んでも締め切りは守る』と言っているベテランの栗原さんに」みたいなキャスティングがあるんです。実際に死んだら締め切りは守れないけれど。気持ちの上では原稿をメール送信した直後に絶命するぐらいの覚悟でおりますよ。


つまり

適材適所

ってやつです。


こんな複雑な条件をすべて勘案して「最低報酬」が出せるのでしょうか?

流行りのAIとか使えばできるのかな? 

貴子、アナログだから分からないけど。


それとね、「お急ぎだからギャラはずみます」っていうのは、労働を時間で考える概念とは


真逆


なんです。「一般的には8時間かかるであろう作業を4時間でやる」みたいなことなのです。


じゃあ、4時間分の報酬でいいね?


ってことじゃないんです。

常人の半分の時間で原稿を書きあげます、っていうのはライター界の”トリプルアクセル”みたいなことなんです。


みんなができるわけじゃないんです。


この点もちゃんと勘案して「最低報酬」を出してくださいね。


ライター界に限って言えば「顔が広い」とか「知識が豊富」といったことも「売り」になるわけですから、そういうことも報酬のポイントになっているんです。


そこもぜひ、織り込んでほしいポイントですね。


そもそもフリーランスやっている人って、報酬の交渉から入るってことも「織り込み済み」だと思うんです。ギャラの支払いタイミングだって「すみません。それだと苦しいです」的な交渉もするので政府にご心配いただかなくても大丈夫です。というか、そういうことが言えない人はフリーランスやめたほうがいいから、って話です。


それよりも、私が個人的に「問題では?」と思うのがエージェントさんです。


ライターに限らず、デザイナーとかIT関係のフリーランスの人のエージェントが最近、あるのですけれどね。基本的にクライアントのオフィスに「出勤」してそこで「仕事」してください、という「常勤」の募集なのですね。1日2時間とか週に2日とかじゃないですよ。


実際に私が言われたのは

週5で

10:00~18:00


それって正社員じゃないの?


ってことですね。

正社員ならば社会保険も入れなくちゃってなっちゃうし。

簡単に解雇できないから「フリーランスの業務委託」ってことなんだろうけれど。


仕事をする時間と場所を拘束した時点で「フリーランスではなく正社員になります」という風に法整備してくれるなら、それはグッジョブ、って思うわ~。


会社に通勤しないというのは私にとって、最大のメリットのひとつです。

それがなくなったら、フリーランスでいる意味がないといっても過言ではありません。


私はずっとフリーランスをしてきて、これからの社会にとって「働き方の選択肢としてアリよ」という立場でいました。


しかし、この最低報酬、政府検討がはじまって導入されたら趣旨替えする可能性があります。


なので、これからフリーランサーになろうかな、と思っている方はほんとによく考えてくださいね。ただでさえ、フリーランスを都合の良い労働力として使おうとしている人たちがすでに出てきています。「会社がつらいんだもん」的な一時の感情や、なんかかっこよさそうみたいな気持ちでフリーランスを考えているのなら。それが、「ほんとに自分が幸せな毎日を送ることができる働き方なのかな」というのをちゃんと考えてね。


大切なのは政府が検討しようとしている、報酬を保証とか安定とかではなくて。

「自分が幸せだなあ、って思えるのかしら?」ってことですものね。



今日も読んでくださってありがとうございました。

みなさまの毎日にププッと笑顔が溢れますように♪
























栗原貴子のでこぼこオンナ道

栗原貴子/編集・ライター、コピーライター フリーランス歴23年。広告、宣伝、啓蒙につながるクリエイティブ制作、コピーライティングが得意。2019年より きもの伝道師 貴楽名義で着付けパーソナルレッスンを中心に活動開始。きもの歴は四半世紀越え。