パグ犬風太の命日に「私にできること」をひっそり決意いたしました。

こんにちは。栗原貴子です。

近畿地方での台風の甚大な被害に息をのむ間もなく、北海道での地震。

西日本での集中豪雨もついこの前だったのに……。


被害を受けられた方、被災地のみなさまがどんな思いでいらっしゃるのだろうかと、思いを馳せつつ。今朝は


「掃除機かけられるってありがたい」

「洗濯ができるってありがたい」

「アイロンがけできるって幸せ」

「お料理できるってありがたい」


と電気、ガス、水道を使用する家事が「できること」のありがたみ、幸福をかみしめておりました。アイロンだけ「幸せ」なのは、昔からアイロンがけが好きで、それがライター見習いになるチャンスをつかんだきっかけだったからです。


友達との恋バナで「別れを突き付けられて、初めて彼女がとても大切だったと思い知る」という男性心理を「馬鹿だよね」としゃべり倒した経験、ほとんどの女子があると思う。でも、電気もガスも水道もフツーに使える環境では「あ~、掃除するのめんどくさい」とか「アイロン、かったるいな~」と思ったりもするわけで。失ってみて、または失いそうになって初めてわかる、というのは誰にでもある心理なんだな。


そんな今日は愛犬・風太の初めての命日。

風太が好きだった梨を一緒に食べました。


被災地ではない東京でも、頻発する災害に「これから、どうなっちゃうの?」って多くの人が思っています。個人的には風太の命日と重なり、今日はどうしてもおセンチモードに偏りがちですが、「飼い主さんが笑っているのが一番の幸せ」という犬種・パグ犬の風太がそれを喜ぶはずもありません。


現実的なことをいえば、災害がビジネスに影響する業界は少なくありません。


私はブランディング・ライターとして様々な企業様の「ご商売の繁栄につながるSPツールづくり」を行っております。


SPツールの主な目的は「新規の顧客獲得」「顧客の継続ご愛顧」の2つに分かれます。そして、この2つは目的が異なるので、それぞれを分けて考える必要があります。


日本は人口が減少してきていることや、消費マインドの変化、可処分所得の低迷といった要素が相まって、ぶっちゃけどの業界も苦戦しています。シェアを国外に求められる業界はまだしも、国内需要メインですと自然と回復する要素がまったくありません。


ですので「生き残り戦略」というものが注目されているわけです。言い換えれば「淘汰が始まっている」ということ。


私は着物愛好家として、斜陽産業の「第一人者」的な呉服業界を長年、ユーザー目線で見つめておりました。ときに、業界の活性化を意図したお仕事のお声がけもあり、それらにも関わりましたが、芳しい結果はあげられませんでした。


きものは今も変わらず「好き」ですし「100年後も続いてほしい」と願っております。ですが、知れば知るほどビジネスモデルが悪かった。「このビジネスモデルである以上、ブームを作るのは厳しい」ということをお伝えしても「は?」みたいな顔をされたり。ときに「無理ゲー」を要求されたりして、ほとほと嫌になったのです。


具体的にどこがどうあかんのか、はまたの機会に譲るとして。


呉服業界がたどってきた斜陽産業のパターンは、ある種、鉄板なんだな、と最近、気づきました。扱っている商品が違うだけで、図式はほぼ同じ。


・「いいもの」を作り続ける体力を維持できなかった

・作り手のことが後回しにされすぎていた

・新規ユーザー層の開拓が安直

・顧客のご愛顧を維持できないどころか、逃げられる

・販売価格の不透明性

・売り手側の都合で構築したブランディング戦略

・消費者マインドの変化にうとい


といったところでしょうか。


どんな業界であっても、この要素がひとつでもあれば、そこから連鎖的に衰退していく要素が拡大していく、と私は考えています。

「うちは企業対企業の取引(B to B)だから」

ということをおっしゃる方も多いですが、何をおっしゃるウサギさん。最終的には個人ユーザーという消費者がいるんですね。どんなビジネスにも。だから、取引先のご満足度が高くても、消費者のご満足度が低かったらあかんのです。


個人消費者の方のお買い上げが、あなたの会社の利益です。


ということですね。


ここをしっかりと経営者の方が見据えていらっしゃる企業様かどうか? ってお仕事を通じてかなり重要だな、って感じています。


私は災害の続く中で「私にできることは何だろう?」と考えたときに、私たちの暮らしの根幹となる「ビジネスに役立つこと」だと思うに至りました。収益が上がれば、寄付ができる。お給料が上がれば、募金ができるじゃないですか! 小学生レベルの発想だけれど、そうやって「助け合っていく」ことで、互いによい影響や循環を巡らせることができたら、日本は今よりももっと素敵な国になれるはず。


災害でビジネスのために必要なモノを失った方も多いと思うのです。

たくさんお金を持っている人は、そうした人たちに「投資」するという方法で助けることもできるし。再起した企業が地元の人を雇用できるようになるかもしれない。


この会社の売り上げを上げたら、私の知らない誰かの仕事が作れるのかも知れない。


そんな気持ちで、お仕事に向き合っていこうと「ドライヤーが使えることってありがたい」と髪を乾かしながら、電気のありがたみを実感しながら、思ったのでした。


今日も読んでくださってありがとうございました。


度重なる天災の被災地の皆様にお見舞いを申し上げます。

命を落とされた方々のご冥福をお祈りいたします。

そして、今、こうして生きていることに感謝しながら「できること」を精いっぱい、やらせていただきたいという思いでおります。

みなさまの毎日に「ププっ」と笑顔があふれますように♪







栗原貴子のでこぼこオンナ道

栗原貴子/編集・ライター、コピーライター フリーランス歴23年。広告、宣伝、啓蒙につながるクリエイティブ制作、コピーライティングが得意。2019年より きもの伝道師 貴楽名義で着付けパーソナルレッスンを中心に活動開始。きもの歴は四半世紀越え。