憧れの掃除機ダイソンDC63タービンヘッドがやってきた。

こんにちは。栗原貴子です。

今日、ダイソンの掃除機が届いた。

外箱からしてイカす。

今日の私は朝からウキウキと掃除機の到着を待ちながら、ガシガシと仕事をしていた。宅急便は午前中指定。ということは8時から12時という幅広い待ち時間である。11時すぎに、お仕事先の方と電話で打ち合わせをすることになっていたので、そろそろお電話申し上げるころ? と時計を見上げたそのとき。ピンポーンとやってきた。


古い掃除機はたぶん、10年近く使っていたのではないだろうか。電源コードを伸ばしてもすぐにコードが巻き戻るという不具合に気づきつつも、延長コードで難をカバーするという技を編み出し「私っておりこうさん」と悦に入っていた。しかし、掃除機に内蔵するゴミ袋が最後の1枚となり『壊れた掃除機のためにゴミ袋を買う』という現実に、私は激しい抵抗を覚えた。


掃除機の買い替えを検討するにあたり、ゴミ袋のいらないサイクロン式にすることは決まっていたが、コードレスかコード付きかで思い悩んだ。コードレスは何やら便利そうで胸がときめく。しかし、我が家にはコードレスのメリットに挙げられる「階段」がない。

悩んでいる間にもラスト1となったゴミ袋にゴミはたまっていく。そろそろ満タンなんじゃないか、と思いつつも時間が経っていった。


いよいよラスト1のゴミ袋が満タンになりかけたその瞬間。


私が敬愛するジャパネットたかたのメルマガが届いた。今日、今、この瞬間に買えばダイソンの人気モデルがお買い得というお知らせである。私は「これは天啓!」と受け止めた。冷静に考えれば、ジャパネットたかたのマーケティング戦略であり、天啓でもなんでもない。しかし、家電量販店に行くことが苦手を通り越して苦痛な私にとって、ジャパネットたかたは救世主のような存在であり、よってメルマガも「天啓」扱いなのだ。


さらに、粗大ごみとして出さなければならないはずの旧掃除機も「下取り」をしてくれるという。分割払いの金利手数料もジャパネット負担だし、どこまでお客様に尽くしてくれるのだろうか。


昔、ある番組で前社長がテレビに映ると、尻尾をブンブンと振って大喜びして画面の前で食い入るように高田社長を見つめるゴールデンレトリバーが紹介されていたことがあった。会ったこともない犬を虜にするほどの魅力に私も圧倒された。社長を退かれてテレビショッピングでお姿を拝見することがなくなった今、あのゴールデンレトリバーは元気でいるのだろうか? と気になる。


かくして、私はダイソンの掃除機の購入に至った。コード付き、さらに「隙間用」「高いところ用」「ふとん用」などのいろいろなアタッチメントがついているという、おトク仕様。


ここまで読んでくださった方はお気づきであろう。

そう、私は掃除が好きなのだ。


ダイソンの掃除機は11時少し前に届いた。梱包されていた段ボールに旧掃除機を入れ、クロネコヤマトさんが持ち帰ってくれた。ウキウキと開封。さっそく、掃除機をかけてみよう!と思ったそのとき。時計を見ると11時を10分ほどまわっていた。


今、私がかけるべきは、掃除機ではなく電話である。


後ろ髪をひかれながら、お電話にて打ち合わせ。


電話をかけたのちに、私にはやるべき仕事があった。しかし、どうしても「掃除機をかけたい」という気持ちに抗えなかった。豪邸じゃあるまいし、10分、20分で済むことじゃないかと「初ダイソン」を自分に許可。


驚きの吸引力を経験する時がいよいよ、やってきたのだ。


胸の高鳴りを覚えつつ、パーツを組み立てる。やたらと未来的な風情でどことなく「SF映画における異星人と対決する際に用いる武器」のようなフォルムなのに「じつは掃除機」というところがしゃれている。ノズルをはめた時の「カチっ」という音も掃除機離れしている。


コードを電源に差し込み、ノズルを伸ばしてワクワクとスイッチを入れた。なんともいわない。「あれ? あれ?」とスイッチを見ると電源ではなく「強弱」のほうを押していた。焦るな、私。深呼吸をしてから正しいスイッチを押す。


驚きの吸引力なのかどうか、使っている感じではわからない。床を掃除しおえて、ゴミがたまるカップを見ると埃の塊ができていた。普通にしている分には目視できなかった埃が可視化されている様子のなんと気持ちいいことか。


もっと、何かを吸いたい。ミクロのゴミを可視化したい。


ふとん用アタッチメントに手を伸ばした。が、今の私は本気でこれをやり始めている場合ではない。仕事の合間に「ちょっとだけ」のはずだったではないか。今のところは、一人掛け用のソファで我慢することにした。ゴミのたまったカップ部分に微細なゴミの塊がまた増えて、私は喜びに打ち震えた。


もう、いい加減にしなさい、とささやく私と、いいじゃんもう少しぐらい、とささやく私のはざまで誘惑に負け「高いところ用」のアタッチメントに手を伸ばす。狙うはエアコンの上。そしてカップを見るとまた、埃が増えている。


そろそろ、やめなければ。


微細なゴミが集合体となった様を未練がましくしげしげと眺めながら、ゴミ箱に捨てた。これが驚きの吸引力の実力なのか、と妙な達成感に包まれながらPCの前に戻ると、仕事がやけにはかどった。「初ダイソン」のおかげで脳の中で何かよいホルモンが分泌されたに違いない。


もともと好きな掃除という行為に、サイクロン式掃除機による「埃の可視化」がもたらす達成感がプラスされ、より楽しさが増すことを知り「ダイソンのヒットの理由」に今、思いを馳せている。


ここまで書いて、ダイソンが我が家に来たことの喜びのあまり、旧掃除機に「今まで、ありがとう」と告げてから別れをしなかったことに気が付いた。


ああ、本当に申し訳ない。10年近く連れ添ったのに、新しい女に現を抜かすダメ男と何ら変わらない仕打ちをしてしまった。同時にそういうダメ男の心情への理解が深まった自分にも戸惑う。今日の反省ポイントである。


今日も読んでくださってありがとうございました。

みなさまの毎日にププッと笑顔があふれますように。



















栗原貴子のでこぼこオンナ道

栗原貴子/編集・ライター、コピーライター フリーランス歴23年。広告、宣伝、啓蒙につながるクリエイティブ制作、コピーライティングが得意。2019年より きもの伝道師 貴楽名義で着付けパーソナルレッスンを中心に活動開始。きもの歴は四半世紀越え。