桜吹雪ならぬ、リアル桜とリアル雪に未来を思う。

こんにちは。栗原貴子です。

外出自粛の要請が出された週末。

桜と雪の共演、という珍しい風景を堪能し、外出を自粛していなかったことをここに白状いたします。はい。近所のスーパーに行きました。

 

桜が散っている様子を「桜吹雪」と雪に例えて表現するが、本物の雪と桜を一度に見られるなんて、そうそうない体験。とはいえ、桜のお花たちはさぞかし、寒かろう。『冷たいよね。頑張ってね。ありがとうね』と心の中で語りかけた。


そもそも、私はブルーシート敷いて屋外で飲食をする「花見」への興味がないというか、はっきりいって「嫌い」であった。そんなオーラが出まくっていたのだろう。花見に誘われたこともなかった。しかし、昨年、初めて誘われた。『食わず嫌いもなんだから、一度ぐらい体験してみよう』と思い参加した。同世代の飲み仲間の男性の中で、紅一点というラッキー・ポジションであった。


集合するや否や、私は言った。

「日が暮れる前に、居酒屋とかに移動しましょうね!」

優しい殿方たちは、異口同音に

「そうしよう、そうしよう。地面に座ってると冷えるからね」

と言ってくれた。


メンバーのひとりが、ブルーシートを敷いて場所取りをしてくれていた。

「場所取り、ありがとうございます」

私はわがままではあるが、礼はちゃんと言う。生まれて初めての、地面に座っての花見の感想は「やっぱり尻が冷たい」であった。

シャッターのリモコンとスマホの自撮り棒を持参していたので、ブルーシートに座っているところを、みんなで写真を撮った。

撮った写真を見て思わずつぶやいてしまった。

「なんか、、、、私たち、小ぎれいなホームレスみたいですね~」

「ほんとだ……」

思ったことを素直に発表するオバサンの言葉に、絶句するオジサンたち。なぜ、ホームレス感が漂っているのか。それは長年、スチール撮影現場をディレクションしてきた経験から、私は知っていた。知ってはいたが、さすがに口を慎んだ。今も慎もうと思う。


「小ぎれいなホームレス」という表現が引き金となったのだろうか。場所取りをしてくれた殿方が、最寄の居酒屋に席の予約の電話をかけ始めた。しめしめ、である。

居酒屋に移動して飲み、その後、「アイス食べたい」という私のわがままにより、31アイスクリームをみんなで買い食いし、食べ歩きながらカラオケに行った。屋内に移動してからの私は、大変、生き生きとしていた。とっても楽しかった。


今年も、そのメンバーでお花見をする予定だった。しかし、外出自粛の要請を受け、他県への移動も自粛という、現代版のマイルドな「関所」がもうけられたことから中止となった。


地面に座っての花見。居酒屋での飲み会。アイスの食べ歩き。そして、カラオケ。今、感染のリスクとして挙げられるすべての行動を、あの日、私たちは堪能したのだな、と懐かしく思う。そういえば、居酒屋での飲み会では「横浜市歌」を店内に居合わせたほかのお客さんとご一緒に、アカペラ熱唱するという謎の展開もあった。飛沫とばしまくりである。


昨年の初屋外お花見で「尻が冷たい」という感想を持った私であるが、そんな催しを開催できたことの、ありがたみを今、感じている。


あれから1年後、世界中がこんなことになるなんて。

誰も予想していなかった。

今、地球上に蓄積されていた「膿」を出すかのような事態が起きていると感じている。


こんなにも、あっという間に社会システムが崩れるような状態だったと判明するということは、私たちが、多くの人々がギリギリのところで頑張っていたことの証なのだと思う。

ギリギリのところで頑張りながら、必死に経済を「回して」いた。


その頑張りの上にあぐらをかき、高みの見物をしていた人たちはほんの一部。国をつくらなくてはいけない立場の人たちの発言の「浮世離れもほどがあるよね」感に、民は憤り、そして今となっては呆れつつある。


国民がさまざまなことを自粛することで、経済はあっという間に停滞した。

ひとり一人のチカラはそれほどに大きい。

それだけ、命が尊いということだ。


政治や経済が膿んでいたことを、コロナはあぶりだした。経済も人口も「数字」ではなく、「想い」によって動くものだということを。


例えば、卒業を入学を祝って花を贈りたい、というのは単なる消費活動ではない。想いなのだ。


その想いの結果が「数字」なのだということを。

多くの人が体感することで、よりよい方向に世界が変わっていくのだろうな、と思う。


それは。

感謝をすることと、感謝されることが、バランスの取れた社会であり。

ひとり一人としては、感謝はするけれど、感謝されることを「期待しない」という心の在り方なのだと思う。


1年前のお花見が、どれほど素敵な時間であったかを1年後、こうして思い出すことで。

過ごした時間の楽しさが、増してくるように。

過去も、塗り替わっていく。


桜が咲いているのに、今、都心でも雪が積もりはじめている。

おかしな天気だと、不安に思うのか。

珍しい美しい風景を体験していると受け止めるのか。

そんな気持ちの在り方の違いが、未来を分けるのだろう。




今日も読んでくださってありがとうございました!

ププッと笑って免疫力を高めて参りましょうね!




栗原貴子のでこぼこオンナ道

栗原貴子/編集・ライター、コピーライター フリーランス歴23年。広告、宣伝、啓蒙につながるクリエイティブ制作、コピーライティングが得意。2019年より きもの伝道師 貴楽名義で着付けパーソナルレッスンを中心に活動開始。きもの歴は四半世紀越え。